活動内容
学校薬剤師って知ってる?
皆さんは、学校に薬剤師が必ず配属されているのをご存じですか?
毎日学校に居るわけでは無いので、ご存じの無い方も多いと思いますが、
幼稚園、小学校、中学校、高等学校には、学校医、学校歯科医と共に学校薬剤師を必ず置くことになっています。(学校保健安全法第23条)
では、学校薬剤師はどんな仕事をするのでしょうか?
学校で児童、生徒および職員の皆さんが安全で健康な生活を送れるよう、学校の環境衛生について検査をしたり、アドバイスをしたりします。
また、薬についての教育も行っています。
活動内容について
1 ぎょう虫卵の検査
ぎょう虫の成虫は人の大腸・直腸で生活しています。メスが夜間に肛門から体外に出てきて肛門周囲に卵を産みつけます。ぎょう虫がいると、夜間のかゆみにより寝不足になったり、落ち着きがなくなったりします。
学校薬剤師は、保育・幼稚園児と小学校1〜3年生を対象にぎょう虫卵検査を行っています。
平成24年度は12,998件中、陽性は1件でした。
2 飲料水の検査
学校では、衛生的な水を使用するために、使用水の日常点検と定期点検を行っています。
日常点検では養護教諭等により、味や臭気の他に残留塩素が基準通り含まれているか毎日点検しています。
定期点検では学校薬剤師により、日常点検に加え、化学物質や一般細菌・大腸菌などの検査をおこなっています。
3 プール水の検査
6月中旬になると水泳の授業が始まります。
プール水は一般的に水道水を使用してていますが、入泳者の体の汚れや汗等によりプール水は常に汚染されます。プールの水質が適正に管理されていなければ、プール熱やはやり目等の感染症が流行ることになります。
学校薬剤師はプール水の衛生的な環境が保持できるように、残留塩素・有機物・濁度・一般細菌・大腸菌等の検査を行っています。
4 教室などの照度・照明
学校における照明は、児童・生徒や教師が教科書や黒板の文字等を見やすくすることにより学習効果を高め、また目の疲れを減らし近視を予防するために必要なものです。
学校薬剤師は、適正な明るさの確保とまぶしさの無い状態を維持するために照度検査を定期的に行っています。
5 教室などの空気検査
一日の大半を学校で過ごす児童・生徒等にとって教室の空気環境は快適、清浄でなければなりません。
学校薬剤師は、教室内の温度・湿度、二酸化炭素濃度、ホルムアルデヒド等の検査を定期的に行って換気等の指導をしています。また、アレルギーの原因となるダニの検査も行います。
6 覚せい剤や麻薬等の乱用防止教育
覚せい剤や麻薬等の薬物乱用は人間と社会をダメにしてしまう深刻な問題です。
近年は、脱法ハーブと呼ばれる違法な薬物が簡単に入手できるようになり問題となっています。
学校薬剤師は、児童・生徒を薬物乱用の害から守るため関係機関等と協力し薬物乱用防止の教育を行っています。 また、タバコやお酒の害についても話をします。
7 薬の正しい使い方教育
薬の正しい使い方を教える「くすり教育」が平成24年度から中学校で完全義務化され3年生を対象に保健体育の授業1〜2時間が割り当てられます。授業の実施は学校の先生が行いますが、学校薬剤師は専門家の立場から情報、資料、教材等を提供したりゲストティーチャーとして授業に参画します。
8 学校給食施設・設備の定期検査
学校給食は子供たちが食するものであり「安全・安心」であることが大前提です。
学校薬剤師は給食室の施設・設備面での衛生管理の徹底を図るため、年3回の定期検査を行い第三者の目から指導・助言をしています。