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一般公開

「心疾患と非薬物治療」 沼津市立病院循環器科医長 伊藤 浩嗣先生

《心臓の解剖》
 心臓のしくみ・・・厚さ1㎝くらいの筋肉である心筋が伸び縮みすることによりポンプの役割をする。
          体内循環している血液量は成人男性で4〜5L、1回の拍出量は80ml。
 冠状動脈・・・心筋に血液(酸素・栄養)を供給するための血管が大動脈起始部より分岐し、心臓を
        包みこむように分布している。
 刺激伝達系・・・心拍リズミを生み出すしくみ。
         発電所である洞結節から発生した電気を心臓全体に伝える。
 
心臓の異常
 A 冠状動脈→狭心症、心筋梗塞
 B 心筋→心筋症、心筋炎
 C 心臓弁→心臓弁膜症
 D 刺激伝達系→不整脈
 E 生まれつき→先天性心疾患

不整脈(徐脈性-房室・洞房ブロック・洞徐脈 60回/分以下)
   (頻脈性-心室性・心房性      100回/分以上)
    心臓のリズム障害、健康成人男性 60〜70回/分が正常

原因:電気刺激が何らかの理由によって乱れリズムが不規則になる為
   治療が必要な不整脈 ①致死性不整脈
             ②心血行動態に悪影響
             ③自覚症状が強い
             ④塞栓症の原因

【治療】
 1.薬物療法(抗不整脈薬):頻脈>徐脈

 2.ペースメーカー植え込み:徐脈性 沼津市立病院ではH17 30件/年
              (人工的に電気刺激を与えることで心拍数↑心拍出量↑)

 3.カテーテルアブレーション:頻脈性 沼津市立病院ではH17 20件/年
  <カテーテルアブレーション>とは、高周波通電で異常箇所を焼いてしまう方法
   
   長所・・・根治療法である。抗不整脈が不要。成功率が高い。


虚血性疾患(狭心症・心筋梗塞)
 心筋が酸欠状態となる症状:胸痛
 狭心症は一時的な発作であるが狭窄が進行して完全につまると心筋梗塞となる。
 心筋梗塞の特徴-冷汗、吐き気を伴う強い胸痛30分以上、ニトロ舌下でも治まらない。

【治療】
 心臓カテーテル(主流) 沼津市立病院ではH17 20件/年
 PTCA・・・経皮的冠動脈形成術
 PCI・・・・・経皮的冠動インターベーション
 しかし、再狭窄は30〜40%で生ずる。

【再狭窄の防止】
 ステント留置・・・抗血小板薬の内服が必要である。しかし10〜20%で再狭窄が新生内膜の異常増殖
          のためおこる。
 薬剤溶出性ステント・・・ステント内再狭窄を予防する有効な治療法
             血管平滑筋細胞の増殖を抑える。
             約90日で薬剤が完全に溶出する。

<利点>5%と低い再狭窄率

<欠点>長期の抗血小板療法が必要(パナルジン最低3ヶ月、アスピリン継続)


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