一般公開
1.「塩酸チクロピジンの適正使用について」
沼津市立病院 長山 晃先生
・重篤な副作用を未然に防ぐ為には、副作用の初期症状を患者さんに伝える
・服用後の自覚症状などを定期的にモンタリングしていく必要がある
・最近では入院日数が短縮されているゆえ、副作用発現のモニタリングが今後より一層院外薬局の薬剤師に求め
られる
2.「メサラジンの安全性ー本邦での市販後10年の集計を通じて」
日清キョーリン製薬
・腸から大腸までの全域にわたって5-ASA(5-アミノサリチル酸)放出するよう製剤設計した放出調節製剤
・病変部位での局所作用により炎症を抑える
・1193年 オーファンドラッグと認定
・2008年2月 小児の適応が追加となる
{潰瘍性大腸炎}1日30-60mg/kg
{クローン病}1日40-60mg/kg
<重大な副作用>
過敏性肺障害、心筋炎、心膜炎、胸膜炎、間質性腎炎
ネフローゼ、腎機能低下、再生不良性貧血、汎血球減少
無顆粒球症、血小板減少症、肝炎、黄疸、膵炎
20歳代でSE発現することが多い
呼吸器障害は高齢者に多い
腎障害の回復には、長期日数かかる
投与量と副作用の発現には相関性はない。
副作用は投与中止により回復する
3.「潰瘍性大腸炎とクローン病の最新治療」
浜松南病院 消化器科・IBDセンター 花井 洋行 晃先生
炎症性腸疾患(IBD)とは
潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)に分類される
UC:CD=3.5:1 IBDは急激に患者数が増加。2006には12万人を超過している
病因に関する因子として、
遺伝的、免疫異常、粘膜防御機構、腸内細菌叢、環境衛生、餌食・習慣
UC・・・原則として大腸のみ。主として粘膜うぃ侵し、しばしばびらんや
潰瘍(クローンより浅い)を形成する原因不明のび慢性非特異性炎症
CD・・・原因不明であり、消化管のどこの部位にも起こりうる繊維化や潰瘍(深め)を伴う肉芽腫性炎症病変
<<治療目標>>
活動期からすみやかに緩解期に導入する
安全、QOLを保ちながら長期間緩解維持する
緩解維持療法にステロイドは使わない
一旦、ステロイドの全身投与を施行すると、50〜60%のIBD患者が難治性となる
免疫抑制剤(イムラン、ロイケリン等)はステロイド減量効果、緩解維持効果がある。
レミケードも導入・・・クローン患者
*血球成分除去療法*
薬物療法で改善しない、改善しても再燃する場合に使用され効果のある治療法
クルクミン(ウコンの成分)に関しては、安全な治療薬として用いられる可能性あり?
現在、研究中である。