一般公開
「腰部脊柱管狭窄症-病態及び治療選択について-」
沼津市立病院整形外科医長 望月 眞人先生
『脊柱管が狭くなって、しびれ・痛みがでてくる疾患』
<腰部脊柱管狭窄症>
腰部脊柱管が先天性または発育性に狭小であったり、後天性に狭小化して馬尾や神経根が圧迫され、
下肢症状や会陰部症状を呈する病態をいう。
症状:臀部痛・腰痛・足のしびれ・会陰部のしびれ・ほてり・間欠性勃起・間欠跛行
病型:片足の痛み=神経根型
両足の痛み=馬尾型もしくは混合型
治療:A 薬物 プロレナール・オパルモン 3〜6ヶ月
補助的にNSAIDs 筋弛緩剤 安定剤 ビタミン剤
PGE1(局所的循環障害改善、易被刺激性の低下目的)→2ヶ月で効果あり、長期服用なし
B 理学療法 温熱治療 電気 レーザー 腰痛体操 筋肉トレーニング
C 装具療法 コルセット(ワイヤーのないもの)
D 手術 QOLが低下している時
1.安静にしている必要はないが、転ばないように動く
2.早期退院
3.手術の安全性が高い
4.輸血なし
まとめ
ここ数年、増加傾向の疾患である、適切な医療機関及びDrを受診すること。
むやみに、高額な薬を飲ませないことも大切である。。
・NSAIDsについて
急性期ならば、2〜3週間は連続して飲んだ方がよい。
慢性期ならば、病態を改善できるわけではないので痛いときに頓用とする。
2〜3ヶ月続けて飲ませず痛ければ他の治療も考慮する。
「ボナロン錠」 帝人ファーマ株式会社 学術部
新薬ボナロン錠 35mg
<効能・効果>
骨粗鬆症
<使用上の注意>
(ボナロン錠5mgと同じ)
内服での吸収低いため
1. 朝起床時180mlの水でかまずに、なめずに服用
2.服用後少なくとも30分は飲食しない
3.服用後少なくとも30分は横にならない
<特徴>
週1回服用
1.毎日服用するボナロン錠5mgと同等の骨密度増加効果
2.コンプライアンス向上
3.吐き気や便秘、胃の痛み等の副作用で脱落した患者さんにも再チャレンジ
(2〜4%の吸収→肝代謝を受けずに循環血へ→2〜4時間で骨へ分布される)
4.骨粗鬆症による、骨折発現頻度↓
転倒・・・・・上腕、手首、大腿部
圧迫・・・・・背骨、腰椎
<用法・用量>
週1回服用
<のみ忘れ時の注意>
次回服用予定日前にのんでしまったら?
*1〜5日目は服用、6日目は次週分へ
<飲み過ぎ時の注意>
連続2日間、同時に1回2錠もしくは、うっかり夜もう1回服用してしまったら?
*次週分は休薬し、次次回服用予定日から服用する。
「フェマーラ」 ノバルティス ファーマ(株)学術部
新薬フェマーラ錠2.5mg(一般名・・・レトロゾール)閉経後乳癌治療剤 アロマターゼ阻害剤
<効能・効果>
閉経後乳癌
<用法・用量>
レトロゾールとして1日1回2.5mg経口投与
<乳癌の特徴>
約7割は、エストロゲンの働きによって癌細胞が増加する「ホルモン感受性乳癌」といえる。
<作用機序>
通常、閉経前は卵巣からエストロゲンが産生されるが、閉経後は副腎から産生されるアンドロゲンが、脂肪等に
存在するアロマターゼによりエストロゲンに変換されるルートが主となる。
この アロマターゼを阻害することにより、エストロゲン産生を抑え乳癌細胞の増殖を防ぐ。
<薬物療法>
→手術→1stライン薬物療法→2ndライン薬物療法
どの段階でもフェマーラは有効
「乳癌についての基礎知識」 沼津市立病院 第2外科部長 木村 正幸先生
1.乳癌は女性の癌で一番多い(4万人発生/年)
2.診断;①触診 ②超音波 ③マンモグラフィー →→細胞検査を行う
3.術前に、ホルモン療法を行う
4.【再発するまでは-CURE(完治)】 【再発したら-CARE】
☆最新の術法☆
1.センチネル生検術(SNB)・・・最近は転移を起こすリンパ節を同定できる。
術中に色素注射→染まったリンパ節の細胞をとって検査→大丈夫なら切除しない
2.ラジオ波焼治療(治験レベル)
癌細胞にラジオ波通電→細胞が凝固し、増殖しなくなる。
3.乳房再建術
「プレミネント錠」 万有製薬 学術部
新薬『プレミネント錠』
<効能・効果>
高血圧症
<用法・用量>
1日1回1錠
(ロサルタンカリウムとして50mg及びヒドロクロロチアジドとして12.5mg)を経口投与
(ロサルタンカリウム=ニューロタン50mg錠)
<特徴>
"日本初” 持続性ARB/利尿薬合剤
1.ARBと少量の利尿薬による相乗的な降圧降下を示す。
2.相補的薬理作用を示す理想的な組み合わせ
降圧→相乗、カリウム→相殺、尿酸→相殺
3.ARB単剤目標血圧未達成の場合、プレミネントへ切り替えることで服用剤数を増やすことなく、
降圧効果の増強とコンプライアンスの向上が期待できる。
<使用上の注意>
高血圧治療の第一選択薬としては用いない