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一般公開

1.「化学療法オーダリングシステム」ーリスク回避のためのオーダリングシステムの構築ー
   沼津市立病院 近藤昌子先生

【特徴】
 投与ミス防止に有用であり利便性に優れる
 医師オーダー後の薬剤師による認証の必須化
 →二段構え
 オーダーチェックの際に確認事項が組み込まれている

【まとめ】
 化学療法委員会により承認された投与方法・期間・投与量等の検討
 遵守されていないとオーダー出来ない仕組み
 一つの化学療法に薬剤師5〜6人が携わる

『セララ錠25、50、100mg』・・選択的アルドステロンブロッカー(SAB)
 ファイザー製薬学術部

<効能・効果>
 高血圧症
(参考・・米国では、心筋梗塞後のうっ血性心不全適応あり)

<用法・用量>
 エプレレノンとして1回50mgを1日1回
 効果不十分な場合は100mgまで増量可

<特徴>
 アルドステロンとはレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の新しい概念

<代謝>
 血圧上昇に加えて心臓・血管・腎臓・脳等に対して直接障害を引き起こす心血管リスクホルモンとして捉え
 られている

<特徴>
 単独投与においても優れた降圧効果
 アルドステロンブレイクスルーを抑える
 Ca拮抗薬、β遮断薬投与で降圧不十分例や、
 サイアザイド系利尿薬との併用においても優れた降圧効果

<禁忌>
 高カリウム血症
 微量Alb尿orタンパク尿を伴うDM
 中等度以上の腎機能障害(CCr50mL/min)・重度肝機能障害
 カリウム製剤、カリウム保持性利尿剤・強力なCyp3A4阻害薬

<副作用>
 頭痛、めまい、嘔気、疲労、高カリウム血症

 エプレレノンとスピロノラクトンと比較して
 プロゲステロン受容体やアルドステロン受容体との親和性1/100〜1/1000。
 →性ホルモン関連の報告少ない(女性化乳房、勃起不全等・・0.3%)


1.「塩酸チクロピジンの適正使用について」
   沼津市立病院 長山 晃先生

・重篤な副作用を未然に防ぐ為には、副作用の初期症状を患者さんに伝える
・服用後の自覚症状などを定期的にモンタリングしていく必要がある
・最近では入院日数が短縮されているゆえ、副作用発現のモニタリングが今後より一層院外薬局の薬剤師に求め
 られる

2.「メサラジンの安全性ー本邦での市販後10年の集計を通じて」
   日清キョーリン製薬

・腸から大腸までの全域にわたって5-ASA(5-アミノサリチル酸)放出するよう製剤設計した放出調節製剤
・病変部位での局所作用により炎症を抑える
・1193年   オーファンドラッグと認定
・2008年2月 小児の適応が追加となる
       {潰瘍性大腸炎}1日30-60mg/kg 
       {クローン病}1日40-60mg/kg 

 <重大な副作用>
 過敏性肺障害、心筋炎、心膜炎、胸膜炎、間質性腎炎
 ネフローゼ、腎機能低下、再生不良性貧血、汎血球減少
 無顆粒球症、血小板減少症、肝炎、黄疸、膵炎

 20歳代でSE発現することが多い
 呼吸器障害は高齢者に多い
 腎障害の回復には、長期日数かかる
 投与量と副作用の発現には相関性はない。
 副作用は投与中止により回復する

3.「潰瘍性大腸炎とクローン病の最新治療」
   浜松南病院 消化器科・IBDセンター 花井 洋行 晃先生

炎症性腸疾患(IBD)とは
 潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)に分類される
 UC:CD=3.5:1 IBDは急激に患者数が増加。2006には12万人を超過している

病因に関する因子として、
 遺伝的、免疫異常、粘膜防御機構、腸内細菌叢、環境衛生、餌食・習慣
 UC・・・原則として大腸のみ。主として粘膜うぃ侵し、しばしばびらんや
    潰瘍(クローンより浅い)を形成する原因不明のび慢性非特異性炎症
 CD・・・原因不明であり、消化管のどこの部位にも起こりうる繊維化や潰瘍(深め)を伴う肉芽腫性炎症病変

<<治療目標>>
 活動期からすみやかに緩解期に導入する
 安全、QOLを保ちながら長期間緩解維持する
 緩解維持療法にステロイドは使わない
 一旦、ステロイドの全身投与を施行すると、50〜60%のIBD患者が難治性となる
 免疫抑制剤(イムラン、ロイケリン等)はステロイド減量効果、緩解維持効果がある。
 レミケードも導入・・・クローン患者

*血球成分除去療法*
 薬物療法で改善しない、改善しても再燃する場合に使用され効果のある治療法
 クルクミン(ウコンの成分)に関しては、安全な治療薬として用いられる可能性あり?
 現在、研究中である。


1.「肺癌化学療法における薬剤管理指導」
   静岡がんセンター 鈴木 賢一先生

【まとめ】
 ・肺癌は死亡率の高い癌であり、禁煙者は非喫煙者に比べ4.5倍高い
 ・喫煙者は禁煙し10年経過すると吸わない人と同等のリスクに下がる
 「症状」として咳、呼吸困難、血痰、骨転移部位の疼痛、痙攣、嗄声、ホルネス兆候、上半身のむくみ、  
  脳転移による麻痺

肺ガン治療<ポイント>
 ・化学療法と放射線療法同時の方が効果が高い
 ・小細胞肺ガンと非小細胞ガンでは治療法が異なる
 ・化学療法選択の場合は、特徴的な副作用と患者背景を選択する
  (吐気、口内炎、骨髄抑制の理解を得る)
 ・吐気時の副作用に対応する薬剤(ベンゾジアゼピン系とトラベルミン)
 ・分子標的薬での間質性肺炎は5%前後、他の抗ガン剤と同等。
  皮膚障害は頻度高いが重篤ではないものの患者さんには説明が必要

 例・・・・ざ瘡様皮疹(菌は検出なし-リンデロンV)、乾燥

2.「肺ガン治療の最近の話題と新薬タルセバ」 中外製薬

特徴として、禁煙の有無にかかわらず生存期間の延長が認められた。

「副作用」
 間質性肺炎、皮膚・爪周囲炎、下痢

{お願い}
 *処方箋と一緒に“治療確認シート”を持参しているか確認してください。
 *症状の変化に対する注意と異常に気づいた時の主治医への連絡について確認してください


1.「頭痛と漢方」 文ニューロクリニック 文 隆雄先生

「西洋薬から漢方薬へ」
 〜頭痛の診断は、問診に始まり問診に終わる〜
 ☆二次性をいかにピックアップし専門医に紹介をするか!
 ☆一次性にはどう治療していくか!

頭痛外来を訪れる患者さんとは
 ①とにかく頭痛をとって下さい
 ②脳に異常はありませんか?
 ③頭痛の仕組みと処置法を教えてください

「一次性頭痛」緊張性頭痛、偏頭痛、混合性頭痛、群発性頭痛
「二次性頭痛」内科的(感染症、低髄圧症候群)
       外科的(外傷、脳出血、脳腫瘍、水頭症、耳・眼・歯性)

<緊張性頭痛> 締め付けるような痛み、重苦しい、鈍痛、両側性
       ピーク PM2時(肩こりによる)
       ピーク PM5時(大脳皮質からの抑制解除)
       反復性-30分〜7日間持続、慢性-3ヶ月にわたる平均15日
       漢方-葛根湯 釣藤散 当帰芍薬散 川きゅう茶調散

<偏頭痛> 光過敏 におい・音過敏 悪心・嘔吐、ズキンズキンと脈打ちの痛み
     予兆の肩こり、4〜72時間持続
     漢方-呉茱萸湯
     西洋-トリプタン製剤、エルゴタミン製剤

<群発頭痛> 片眼の奥がえぐられるような痛み、流涙、結膜充血
      眼瞼下垂・浮腫、鼻閉・鼻汁
      1回/2日〜8回/日 15分〜180分持続

(薬物乱用頭痛の特徴)
 ・毎朝早朝-頭重感
 ・薬が効いている時間が短い、1日3回服用、痛みへの不安の為依存的
  治療として、原因薬の中止→予防薬、抗てんかん薬を3ヶ月使用する
  (デパケン、リボトリール等)


「ロキソニンテープとロキソニンパップ」 第一三共株式会社 学術部

《ロキソニンテープの特徴》
 ①我が国初のロキソプロフェンナトリウム水和物含有テープ
 ②1日1回貼付で優れた効果;ロキソニンパップと生物学的同等性が確認されている
 ③貼付しやすい;三分割の新形状フィルム、つまみやすく貼りやすい
 ④選択しやすい-2サイズ(7*10cm)(10*14cm)

=ロキソニンパップにおける疾患別臨床効果(国内)=
 変形性関節症75.5%、筋肉痛80.7&、外傷後腫脹・疼痛98.1%

=ロキソニン錠とロキソニンパップの比較=
 変形性関節症に対する消炎・鎮痛効果
 ロキソニン錠群64.8%、パップ群77.9%であり、同程度の有効性が認められる。
 1.90度引きはがし粘着力-2.1N→皮膚粘着性に優れ、剥がれにくい
 2.主な副作用-そう痒、紅斑、接触性皮膚炎など
 3.光線過敏症について

<光アレルギー惹起試験結果>
 ロキソニン貼付剤では、ケトプロフェンのような光感作性なし

(理由)
 光線過敏症の原因といわれているベンゾイル基を持たず、ロキソニンの吸収波長が自然光よりも小さい範囲にある
 為と考えられている


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