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一般公開

新しい深在性真菌症治療剤「ブイフェンド」一般名ボリコナゾール
1.侵襲性アスペルギルス症に対して優れた効果を持つ

2.幅広い抗真菌スペクトル

3.優れた組織

4.用法・用量 ブイフェンド錠 通常、成人(体重40kg以上)には、初日に1回300mgを1日2回、2日目以降は1回150mg又は1回200mgを1日2回食間投与する。

5.包装;50mg、200mg錠 200mg静注用Vがあり患者さんの状態により選択がmg可能

6.副作用 肝機能障害、腎障害、低カリウム血症など発現率が高いものとして羞明(25%)・霧視・視覚障害(24%)がある。これは、投与初期に現れるが一過性のものである。しかし、本剤投与中の自動車の運転等機械の操作には従事させないよう十分注意する。その他、食欲不振、頭痛、不眠があげられている。(ブイフェンドはアズノール系抗真菌薬に含まれるため相互作用に注意が必要)

7.相互作用・・・本剤は、肝代謝酵素CYP2C19,CYP2C9及びCYP3A4で代謝される。あわせて、阻害作用を有する。併用注意(抗てんかん薬、免疫抑制剤、ワーファリン、PPI、SU剤、HMG-COA還元酵素阻害剤等)

ブイフェンド・・・近年、深在性真菌症の発生頻度は増えている。特にアスペルギルス症は第一位である。侵襲性アスペルギルス症は死亡率も高い。


「パーキンソン病の治療とビ・シフロール錠」
 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社学術部

パーキンソン病とは・・・
 脳の一部の神経細胞の変性がゆっくり進行する原因不明の疾患。
 1.四大徴候・・・振戦・筋固縮・無道・姿勢反射障害
 2.現在、日本において有病者は13万人といわれる。
 3.進行性の経過をとるが、きわめてゆっくりであり加齢の一種と考えられる。

*治療
・薬物療法
 ①LーDOPA ②DAアゴニスト ③塩酸アマンタジン ④抗コリン薬 ⑤ドロキシドパ   ⑥MAOーB阻害薬 
・外科療法
・定位脳手術(破壊手術、深部電気刺激療法等)
・リハビリ

ドパミン作動性パーキンソン病治療剤「ビ・シフロール」 一般名塩酸プラミペキソール
 1.振戦に対する有意な改善効果

 2.パーキンソン病運動合併症の発現抑制

 3.LーDOPA非併用/併用パーキンソン病患者に有効

 4.線条体ドパミン作動性神経活動に効果

 5.用法用量:経口投与(食後)
        1日0.25mgからはじめ、2週目に1日0.5mgとし、以後経過観察しながら1週間
        毎に1日ずつ0.5mgずつ増量し、維持量1.5〜4.5mgを定める。1日4.5mg
        を超えない事。
   服用回数:1日1.5mg未満の場合には2回(朝・夕)1日1.5mg以上の場合には3回とする。

 6.副作用・・・ジスキネジア、嘔気、消化不良等。
   重大な副作用・・・幻覚、悪性症候群、突発的睡眠
   突発的睡眠(SOOS)・・・日常生活中で意図しない、我慢できない強い睡眠が前兆なく発現すること。
【警告】前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあるので本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業に従事させないように注意すること。

7.作用機序 線条体シナプスのD2受容体を選択的に刺激することによる。

8.排泄 腎排泄型・・・腎機能障害患者には注意

9.製剤 吸湿性が高く、遮光が必要となる。必要に応じて、粉砕・分包される場合は遮光状態であれば3ヶ月可能。


「持続性ガン疼痛治療剤〜ピーガード錠の適正使用情報」田辺製薬(株)学術部

ガン末期患者での除痛率は、ガン専門病院では60%未満、大学病院では約50%といわれている。ガン患者のQOL上、痛みのコントロールは極めて重要とされる。

・痛みの治療指針・・・WHO方式ガン疼痛治療法(ガイドラインでは、一般的な鎮痛薬やコデイン等で抑えられない激しい痛みがあるときにはモルヒネを使用を推奨)
・モルヒネによる除痛・・・睡眠、安静時の痛み、体動時の痛みを除去することでQOLが改善し延命をもたらす。

【5つの基本原則】
1.経口的に
2.時刻を決めて規則正しく
3.除痛ラダーに沿って効力の順に
4.患者ごとの個別的な量
5.その上で細かい配慮

持続性癌疼痛治療剤「ピーガード錠」硫酸モルヒネ製剤
{特徴}
 ・DCV徐放化技術による振れ幅の少ない血中濃度の持続効果を持つ
 ・1日1回投与の硫酸モルヒネ徐放錠
 ・20mg、30mg、60mg、120mg錠の4製剤がある。

{用法・用量}
 通常、成人には、硫酸モルヒネとして1日20〜120mgを1日1回食間に経口投与する。

{投与方法}
 本剤 投与後1時間は、食事を控えること(食事により血中濃度が低下する)。

{包装}
 〔チャイルドプルーフPTP〕
  一般的なPTPに保護フィルムが接着しており、このままでは錠剤をとり出せない仕組みとなっています。
  シートから1錠分を切り離してから、錠剤の反対側のスリットを切り、保護フィルムをはがします。
  PTPから1錠押し出して下さい。


「脳卒中の最近の治療 -脳梗塞を中心に-」
 沼津市立病院脳外科部長 北村 惣一朗先生

脳血管の特徴・・・脳の太いは脳の表面を走行し、自動調節能が発達している。
脳の解剖・・・・・皮膚→骨→硬膜→クモ膜→太い血管→脳組織
脳循環の自動調節能・・・正常血圧者では、160-60mmHgの血圧では脳血流量は変わらない。
            高血圧者は、正常血圧者に比べて血流が悪い。

脳梗塞の分類:
A アテローム血栓性脳梗塞(主幹動脈の流れが悪い→つまる)
B ラクナー梗塞(細い血管に問題)
C 心原性脳塞栓(他でできた栓子が脳の血管につまる)

・側副血行路-collateral circulation
 側副血行路が発達している場合には、ほとんど症状のでないことがある。また、個人差が大きい。
・半陰影帯・ペナンブラ-penumbra
 シナプス伝導は障害されているが、脳障害を来すまでダメージを受けていない領域

脳梗塞急性期の治療の流れ
・虚血中心部
(主幹動脈の閉塞+発症2時間以内)-血栓溶解法(実際治療できるか不明)
(主幹動脈の閉塞+発症2時間以上経過)-保存的治療(点滴治療)
・虚血辺縁部-脳保護療法
 入院してからも、血栓による動脈閉塞のため症状が進行することを患者さんの家族に対して、説明が必要
 である。特に、3〜4日目が最悪状況といわれる。

{血圧に対する誤解に対しての指導}
①病院や医院で測定する血圧が正しい→自宅にて同じ時間に血圧を測定し、手帳をつける。
(市販の血圧計は正しく測定できないというのは誤解である)
②食事・運動療法→塩分を控え、運動をすれば血圧が下がる。
③一旦のみはじめたら一生薬を飲まなければならない→中止されることもある。

クモ膜下出血
動脈瘤あり:(90%)解離性動脈瘤、嚢状動脈瘤
   なし:血管奇形、もやもや病、他
治療:クリッピング、血管内手術(瘤にコイルをいれて血液を凝固させる)
症状:頭痛、嘔気、嘔吐、意識障害とさまざまで典型的な症状を呈する事は少ない。
予後:来院時の状態に左右される。
   発症時の脳ダメージ、血管攣縮は予後不良の原因。


ガイドラインに基づく生活習慣病「高血圧・高コレステロール血症」の薬剤選択 
ファイザー製薬(株)学術部

JSH2004改訂のポイント
【厳重な降圧】
初診時の治療計画
→高血圧患者のリスクの層別化(脳疾患、慢性腎疾患、糖尿病合併者、高齢者)

{降圧目標の治療指針}・・・・・高齢者 140/90mmHg
                若者・中年者 130/85mmHg
                糖尿病患者・腎障害患者 130/80mmHg未満

 ・糖尿病を合併する高血圧の治療計画と代謝疾患を合併する高血圧の治療
 ・140/90mmHg以上の患者に対しては、生活習慣の修正、血糖管理と 同時に降圧薬治療を開始。

{使用薬剤}-Ca拮抗薬、ACE阻害薬に加えて新たに第一選択薬として、ARBが追加された。
       また、使用可能薬剤にβ遮断薬とα遮断薬が追加された。

・代謝性疾患としては、高脂血症・肥満・痛風がある。さらに、JSH2000にはなかったメタボリック
 シンドロームが新たに追加となった。
(メタボリックシンドロームの治療では、インスリン抵抗性に配慮した降圧薬治療を行う)

{24時間にわたる降圧}
1.早朝高血圧・・・家庭血圧、24時間自由行動下血圧で起床時あるいは、朝の時間帯のみ高く他の
          時間帯は正常。心血管病のリスク↑させる。
          なお、長時間作用型降圧薬服用の患者の40%を占める。

2.逆白衣高血圧・・・外来血圧は正常。家庭血圧、24時間自由行動下血圧は高血圧である。心血管
           イベントを増大させるリスクが高い。臓器障害の有無を評価する。

「対策」
 ①長時間作用型薬剤を使用
 ②就寝前の服薬・長時間作用薬剤の分割
 ③α遮断薬、交感神経抑制薬の使用

「2剤の併用療法」
 Ca拮抗薬とARB・ACE阻害薬、β遮断薬、利尿薬。
 ARB・β遮断薬・ACE阻害薬・β遮断薬と利尿薬。β遮断薬とα遮断薬の組み合わせが推奨。


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